ヒロは、緊張しながら駅前の雑居ビルの305号室のまえに立っていた。
夏の暑い日。Tシャツに短パンの軽装だ。
細身ながら広い肩幅で、シャツを内側から押し上げるように肩は丸く盛り上がり胸は大胸筋が存在感を示していた。
「モデルしませんか?1時間6,800円〜」
「筋肉自慢歓迎!腹筋の割れ具合により優遇します」
こう書いたチラシを手に持っていた。
ヒロは19歳で身長174cm。バレー部で、リベロをやっている。細身とはいえない筋肉量の多さで、特に肩の筋肉がしっかりと発達して厚みがあった。
広背筋も発達し、服の上からもわかるほど立派な逆三角形の上半身を誇っていた。
そして、何より腹筋が美しく8個に割れているのが自慢だった。
激しい動きでも即座に対応して、ボールを粘って追いかけるために発達したしなやかな筋肉だ。
だからこそ、この筋肉をまとった身体を武器に割の良いモデルをやってみようかと思ったのだ。
意を決して、呼び鈴を鳴らす。
「はいよ」
「はいってー」
野太い男の声で呼ばれる。
ヒロはそのまま部屋に入っていった。
「君が1人目だ。……採用だな!」
たくましい男がヒロの服越しの肉体をマジマジと見定めたあとそう告げた。
有無を言わさず、喋り続ける。
「じゃ脱いで。パンツもな」
そうだな、どんなメニューがいいか……
「腹責めを必死に耐えながらも叫び声をあげ、筋肉を潰されるモデル」
「勃起した性器を、イキたくないのにしこられてイカされるモデル」
どうだ、楽しそうだろう?
男はいじるそうに笑いながらヒロの肩をぽんぽんと叩き、凄んだ。
「ひっ………」
ヒロの心臓は、口からでそうなほど早鐘を叩いていた。
しまった、逃げられない。
はめられた……
チンコなんか見せたくない
腹責めってなんだ
腹筋目当て?
拷問?
さまざまな思考が一瞬にして巡る。
「お前は、逃げられない。わかるな?最後まで生きていたら、報酬はやるぞ。」
「さて、脱げ」
ヒロは歯を鳴らして震えながら脱いでいく。
鍛えられた筋肉が露わになる。
「いい体だな。震えてるのか。寒いか」
……
ヒロは何も言えなかった。
顎と歯だけが、呼吸を混ぜながらカタカタと僅かな音を立てていた。
男はジリジリと近寄る。
「温めないと………な?」
ドゴ……
ヒロの腹筋が一瞬凹み、そしてすぐに反発して戻る。
それから遅れて筋肉に力が入り、腹筋が動いた。
あ、あ、あ、あ………!!
ヒロは人生で初めて腹筋を殴られ、全身に伝播する苦痛を体験していた。
腹を抑えて前屈みになり、ヨタヨタとその場でふらついた。
筋肉が寄った胸は、丸々と隆起してピクピクと筋繊維が跳ねていた。
「おーすごいねぇ?発達した大胸筋、もしかして鏡の前で見て惚れ惚れしてたりするの………かなぁ?」
ヒロの盛り上がった大胸筋を片手で掴み、揉む。
あ………ぁあああ!!
はぁあああーーぁぁ……
声を裏返らせながら、その場で崩れ落ちてヒロは力なく叫ぶ。
力が入り、胸は石のように硬くなる。
乳首を弄ばれ、筋肉に力を入れて刺激に耐えようと必死だ。
「………ぉおや?チンコが立ってきたな。さすがテストステロンも多いんだ。腹殴られて乳首で遊ばれて勃起するなんて。」
「もっと卑猥な声出してよ」
ボゴォ!!!
ヒロの腹が、また凹む。
凹んだ腹筋はバネのようにすぐにもとにもどった。
ぁ………
ヒロは小さく叫ぶ。腹を殴られたことで、肺の空気が一瞬押し出された。
思わず腹を押さえ、激しく呼吸しはじめる。
「手を退けなよ。寝て、まっすぐにしろ。」
ヒロはまた腹を殴られるのかと恐怖しながら、おそるおそる仰向けに寝そべる体勢をとった。
意に反して勃起した性器は45度に傾き、激しい脈拍に伴ってビクビクと脈打っていた。
「この腹筋、そそるなぁ。8個綺麗に割れてるじゃん。筋肉量も多いし」
「1つや2つ、筋肉の割れてるとこ潰れても、問題なさそうだ」
息つく間もなく、上から2つ目の割れている部位を狙い、グーで殴った。
ボムっ……と鈍い音がした。
一瞬、筋肉が全て緊張し、すぐに緩んだ。
ッッッァァア………
息を吸いながら喉を鳴らす。
内臓が震え、衝撃が伝播する。
ヒロの腹腔内を殴られたことで全ての臓器が揺さぶられた。
……はあっ!はあっ!!
はっはっ!はっっっがあっ!
はっはっはっ!!
ヒロは浅い呼吸を繰り返し、内臓の苦痛に耐えていた。だが、腹の筋肉は何度も浮き上がり、まだまだ健在であることを示してもいた。
「本当にいい身体してんな……もっと叫べ、苦しめ。もっと限界まで身体の機能を酷使するんだ」
男はそう言いながら、勃起してはち切れそうな性器につく睾丸を蹴った。
音はしなかった。
ヒイッ……と、ヒロの艶かしい悲鳴が一回だけ聞こえた。
ヒロは、身体を折り曲げて股間を押さえ、太腿を痙攣させながら悶えていた。
フライドチキンにしたら美味しそうなほど脚の筋肉は発達し、太い筋肉が浮き出ている。
ぐ………ぐぶ………
ぶ………ば………ぐぶぶ……………
ヒロは次第に口から泡を吹き始めた。
「泡吹くほど感じてるのか。全身細かく痙攣させて、腹もっと殴ってくださいってか」
「ほら、仰向けになれよ」
男は、ヒロの厚い身体を蹴って、仰向けに転がした。
ハァハァと荒い呼吸を繰り返し、上下に揺れてある乳首を再びいじり倒しながら、屹立したまま元に戻る能力を失った性器を擦りだした。
……ぁ……ぐ………
ヒロは振り解こうと、弱々しく男の手首を掴もうとする。
「おいおい、おれの手を触るなよ」
ドッ!!
もはや筋肉の力が抜けていたヒロの腹部は、男の拳を受けて腕まで食い込むほどに凹んだ。
ドッ!!ガッ!!
ヒロは声を出すことができなかった。
ただ目を見開きながら、わずかに上体を起こした。
それにより盛り上がった腹筋を何度も拳で凹まされ、腹を責められた。
「この肉厚な腹筋の上に、乗ってみたら……もっと声が出るんだろ?」
男はニヤリと笑って、性器を弄ぶのを中断した。
そのまま片足をヒロの腹の上に置き、踏みつけた。
がぁぉ……ぉぉお!!!
ヒロの8つに割れた腹筋がヒクヒクと痙攣し、足ツボマッサージ機のように男の足裏に当たる。
ヒロは何度も息を吸おうとするが、その力の入りを感じた男が腹を押し付けて呼吸動作を阻む。
「いい声だ」
「そんな筋肉使って必死に何度も息吸おうとするな。酸欠で辛いのか?そんな死にそうな顔するなよ。な?」
「顔真っ赤にして、舌出して、若干白目。それに、鼻水垂らしてさ」
「………ほらほらその腹筋、もうダメか?」
ドムっ!!!
足を振り上げ、ふたたび腹を踏みつけた!
腹にへばりつくように勃起し、硬くそりかえったものも同時に踏まれ、はち切れんばかりに収縮して内蔵を必死で守る腹筋と男の足の狭間で鬼頭をグニュグニュと潰されていた。
「………がはぁあーーーー…………」
ヒロの口から、潰れた蛙のような声が漏れた。
身体は時折跳ねるように痙攣し、性器はビクンビクンと力が入っているのを男の足の裏で感じた。
………!!っかっ…………はっ!
………………げほ…………
「ヒロくん。今度は足踏みするぜ。チンコはギンギンだが、腸が柔らかくなって健康になれるかも(笑)はっはっは」
ドンっ!ドンっ!!!!!!
ボムッボムッボムッ………
……ぁ………あっ…………ふっ…………げほ……あっ……………………あぁあ………
ヒロの腹は、もはや硬さを失っていた。
腹部の筋肉は、ただ昔に鍛えて肥大化した……ということがわかる肉の塊だった。
腹筋はひしゃげ、ヒロの口からはガポガポと泡のような音が響いた。
「……はぁはぁ……こんな立派な筋肉で覆われた腹、極上だねぇ?全く。みたところ腹筋は腫れて割れ目見えなくなってるし、所々ピクピク痙攣してる。だいぶん筋肉も死んできた。」
「………ん?脚もガクガク震えてチンコから汁が垂れてるじゃないか。ギンギンにたったままで。まじで変態だな」
「このチンコもどうにかしな…………
………射精…………飲ませ………
ヒロは意識を失い、男の発言もそこからは覚えていなかった。
最後、どうやって家に戻ったかもわからない。
腹は青くそまり、全身が激しいトレーニングの後のように気だるく、そして激しい筋肉の痛みを伴っていた。
そして顔の周りには自分の精液の香りが充満していた。
だが、手元には10万を超える大金と一筆が何故かあったのだった。
「君の筋肉も声も、精液も腹責めも、高値で売れたよ」