「よくここまで耐えたものだ……。9480回目だな」
「ちなみにな。お前が地獄の苦しみを味わっている時間、どのくらいかわかるかな」
「あ………あ………」
「やめ………」
逞しい青年の両腕は虚空をかき、目は虚ろで言葉を呟き続ける。男の問いには答えず、むしろ気づいていないようだ。
「うあ…………胸の筋肉……むしら……痛いぃ………ないでぇ………」
度重なる幻覚剤の投与により、薬剤の効果が切れてもなお幻覚が現れるようになってしまっていた。
「精神が壊れてしまったか。いや、5000回目くらいからもうだめだったな。ふははは」
「教えてやろう。1分だよ。1分。」
「君には、そうだな。5時間くらいに感じてるだろうな。」
青年の性器からは、勃起もせずに精液が垂れ流れていた。シックスパックの腹筋の溝に精液が流れ込み、水たまりを作っている。
極限にまで追い詰められた脳は、少しでも苦痛を軽減させようと射精感を常に感じられるよう、リミッターを外していた。
当然精液自体はもう尽きており、括約筋が規則正しくビクビク収縮して射精する反射のみが青年の肉体において繰り返されているだけではあったが。
男は時折青年の足を持ち上げ、尻の規則的に律動する様を見て笑っていた。
「出ないくせに射精反射か……。ふははは!!」
「さて。こんどは、そうだな。もうネタもないのだが。身体を焼いてみようか。いい腹筋ステーキになるんじゃないか。」
その言葉を聞いた青年の性器から、しばらく出ていなかった精液がピュッと1回だけ吐き出した。
それは大胸筋にまで飛び、青臭い匂いを放ち始める。
「やめて…………いたいの……やだ……」
「おれの精液………あげるから……もう情報ないよ………全部話した……」
「知ってるさ。もう情報に興味はない。君の肉体をぐちゃぐちゃにして泣き叫んでいる姿を見たいんだよ」
「………ぁああああ!!!いやだ………たすけて………腹筋………焼かないで」
青年は、短くウェーブをかけた髪を振り乱して整った顔をくしゃくしゃに泣き始めた。
「う………ぁあ………っやめて………ぐれよ゛………」
「おお、ようやく泣いたか。やっとスタートラインだな。さてその筋肉、どうなるかな。幻覚剤の世界で、だが。」
「君の体験による感覚は、私にも伝わるようになっているんだよ。腹筋、せいぜい引っ込めておけよ?」
「まぁ、幻覚………だけどな」
「ひ……………ひいいいい……!!!」
青年は腹を引っ込め、幻覚であることはわかっていても腹筋を収縮させるしかなかった。
肋骨が見えるほどに腹を引っ込ませつづけ、体を硬直させてすくんでいた。
男は手にバーナーを持っていた。
青年の腹筋の上に近づけて火をカチカチとつけ、青白い炎を噴射する。
ひっ!っという声とともにシックスパックが強調される。
「腹筋ステーキ、君も食べてみたいだろう。レアがいいかな。自分で鍛えた美味しい筋肉をな!」
「う、、、うわぁ………やめてぇ………ハァ………はぁっ………」
青年は滝のような汗をかいて腹を引っ込ませて、ヒクヒクとしゃくりあげるように呼吸する。手足は拘束されているため暴れたところで腹の露出を隠せるわけではない。
ガシャンガシャンと音を鳴らし、手足の高速を外そうと体を捻る。
なん度も繰り返してもはや快感すら感じなくなった射精がとめどなく起こり、勃起した青年は粘液だけの精液をダラダラと垂れ流す。
「あーあー、そんなにドックンドックンいっちゃって。気持ちいいのか?腹筋外して、前立腺を直接揉んでやろうか。」
「あーーー………!!!やめぇーーー!ひいーーーーーー」
青年は絶叫した。
男は火をつけて、青年の腹をあぶり出す。
肉の焼ける硫黄のような匂いと、粘っこい煙があがる。
「ウォーーーー!!ガァーーーーーッ!!!ぎぃやぁあああああーーー!!」
青年は叫ぶ。
腹筋が猛烈に収縮し、熱さに耐える。
だが、すぐに腹筋の上の皮膚はめくれ上がり、白く変色した腹筋がベロンと姿をあらわす。
周辺のピンクの筋肉は、青年の絶叫に合わせて収縮と弛緩を繰り返す。
白く変色した部分はピクリとも動かず、ただの肉と化していた。
さらに炎を浴びて6つに割れていた腹筋は表面が焦げ始め、シックスパックの塊が浮き出てきた。
「綺麗な腹筋ステーキだ!!さあいただこう」
「う………つぎぎぎ………が……」
青年は白目を向いて失神した。
男は炙るのをやめ、包丁で青年の腹筋……いや腹直筋を筋繊維の方向に沿って切っていく。
プチプチと音がして、太い筋繊維が分離していく。
そうして、男の手に青年の腹筋だった肉が収まった……。
重さは1.5キロほどだ。10センチにもなろうかというほどに分厚い。
切り取られた後の腹は、かろうじて存在する腹膜や結合組織によって臓器が支えられていた。
内臓が薄く見え、腸が蠢き肺が規則的に膨らんでいる。
やがて青年は持続的に痙攣して腹部の臓器がブルブルと揺れる。
「君、腹筋だよ……!君の鍛えた筋肉。食べてみるかね」
そう言って男は青年の腹筋を小さく切り、青年の口に詰め込む。
「………ンが………ぐ………ぅええええええ」
青年は意識を取り戻したが、腹筋を失いひ弱な声しか出せなかった。
青年のおぼろげに映る目には、男の持つ自分の腹筋が見えていた。
「お、、おれの、、ふっきん、、、どうなっているんだ、、」
「やかれて……切られた……のか……」
口に腹筋を突っ込まれたまま朦朧とした意識の中呟く。
男は乱暴に腸をどけて、前立腺を掴み揉む。
「どうだ………感じたか?」
「ぁ…………はぁ…………かっ………かっ………」
青年は呼吸もできない中悲鳴を上げ続けた。
到底射精などできるはずもなく、ただ苦痛だった。
「ほら、戻してやるよ」
男は乱暴に、青年の腹に腹筋だった肉を詰め込む。
腸や胃を激しく圧迫し、空洞が潰れるプチュプチュという音がした。そのまま押さえつけられ、ドクドクと動く心臓をも押しつぶす。
「ほらっ!心臓が潰れていく!ドクドクドクドク必死だな!」
押さえつけられるに従い、心臓の動きがダイレクトに男の手や焼けた肉に伝わる。
そのままさらに力をかけ、心臓の動きを止める………。
10回ほど心臓は鼓動を続けたが、徐々に弱くなり、止まった。
「…………!!ぇぇぇ…………」
意識を失う瞬間、青年は最後の悲鳴を上げた。
「どうだったかな?腹筋ステーキの味は?」
「……ぃあ………殺して………」