今から、この生命体の機能を確かめるべく、生命活動を維持させたまま調査を行う。
臓器が透けたゼラチン状の体をもった奇妙な生命体が、横たわった状態で動けない青年に対して甲高い声でそう話した。
ザボ星人だ。
非常に高い知能を持つが極めて残虐なことで知られていた。
「ぅうわぁ……やめてくれ」
「何をする気なんだ………」
シュウは、そんなザボ星人に捕まった捕虜だった。
地球よりも1.3倍重力の強い惑星で労働を続け、極めて発達した肉体機能を持った人間の青年だ。
21歳、178センチ82キロ。
脂肪はほとんどついておらず、筋繊維の筋が透けて見えるほどに分厚く肥大化した筋肉で全身が覆われていた。
色白で黒髪でがっちりした体格。
シックスパックは横たわっていてもボコボコと浮き出しており、地球に住む男の何倍もの筋量を備えていた。
肉体労働の過酷さを物語るように、所々切り傷や打撲といった傷跡が残る容姿をしていた。
シュウは、全裸で手足を縛られ寝かされていた。
ザボ星人は半透明の手のような器官を用いてシュウの肉体を触り、感触を確かめていた。
「ふむ、人間という種か。知能は普通程度。脆弱な体組織と痛みに弱い中枢認知機能を持っているようだな。」
「体内に温度の高い水が流れているが、これは何だ?」
手がシュウの頭に乗った。
ザボ星人は、シュウの知識をたちどころにコピーした。
「……そうか、人間の言葉で血液というのか。」
ザボ星人は、このようにしてシュウをはじめとした異種生物の思考や記憶を読み、身体の機能や現象を理解し、支配していく。
「この慌ただしく動くポンプが………心臓というのか。地球の単位で148回……秒あたり………かなり生理限界に近そうだ。脳の活動を見ると極度にストレスを感じている。死を意識しているようだな」
「はぁ………はあっ!!もう離して!!怖い………殺さないでくれ………おれを……」
「………帰してくれ………。」
ザボ星人は、シュウの胸に手を置いた。
「まぁそういうな」
「まだこの身体を調査できていない」
バチ………
バチバチバチ!!!
シュウの胸とザボ星人の手のわずかな隙間に激しい火花が散った。
「……っ!!っ!!ぁぎゃあぁああああー!!!!」
シュウは背中を浮かせ悶絶した。
発達して60センチにもなる太ももをばたつかせる。
「……人間は極めて弱い電流により、肉体を制御しているようだ。……この胸部の左右対称の繊維が詰まった部分は、何という?」
ザボ星人が、シュウに聞いた。
「……き……筋肉………胸の……」
シュウは痛さを堪えて話す。
「そうか、筋肉というのか。人間にしてはかなり発達しているようだな。全ての組織を動員すれば、この筋肉の出力では120キロほどは持ち上がるのだろう。……なるほどそうか、この筋肉にさっきのポンプが守られているのだな」
「……では次だ。そこから下にある6個に割れている部位は何だ」
「……腹筋だ……腹の……筋肉……」
シュウが答える。
「なぜ6つもある」
「……知らない……」
ハァハァと、シュウは腹筋を何度も収縮させながら答えていた。
左右対称に割れたシックスパックは、ボコボコとその形を隆起させている。
「骨組織もなく、このわずか数センチほどの厚みの繊維だけで、腹部を維持しているのか。人間とは面白い構造だな」
「……筋支配神経は1系統か。この筋肉とやらが割れていることに意味はないのだな?この部分を破壊して、生体機能へのダメージを確認しようか。」
「ひぃ………や……やめてくれっ!!!ただ普通に働いていただけだ。おれはっ……何もしてないだろう」
ザボ星人が言った。
「…まぁ確かにそうだ。だが、お前のその筋肉の形、発達度合い、量に興味があってな。それにその叫び声もいい。叫ぶと腹部の筋肉が収縮するのだな。興味深いのだ。それに、そもそも我らは苦しんでいる弱いものを見るのが好きなのだ」
「心臓の動きがどんどん速くなる。呼吸も早い。脳から興奮物質が出ている。だが、お前は今からその身体を潰される。」
「機能しなくなった部位は、他の部位でカバーされる。その代償機能を楽しむのだよ」
「わかるかな?要するに、だ。苦しませて苦しませて、死ぬまで苦しませるんだよ」
「では、その腹の筋肉を機能停止し、変性させる。」
ザボ星人は、シュウの腹に手を置いた。
反射的に腹筋を硬くさせ、腹を守る。
細かな衝撃波が無数に出ているのかあたりの空気を震わせていた。
それがシュウの腹の皮膚にあたり、シュウは小刻みに振動し始めた。
「おぶっ………ぐ…………ぐぇ…………」
(何だ………?腹筋がバチバチ音を立てている。だんだん腹が重く………!!)
「がぁ……………………ぎ…………ぶぅ………」
「……ふっき……んに……ちからがぁ……………はいらなくなる…………」
「……ぁぁぁーーー………ぁぁ……」
シュウの腹筋は激しく凹凸を強調しながら青く変色し始めた。ミチミチと音を立てて、急速に衝撃波で筋繊維が切れていっていた。
シュウの腹筋だけでなく腰の筋肉までもどんどんと力を失い、10秒もするとただの肉になった。
6個に割れた腹筋は1つ1つが腫れてパンのように膨らみ、そして青黒く変色していた。
「……お前の脳が、必死な強さでその腹の筋肉に指令を出し続けている。全く反応していないようだがな。見たところ、早速呼吸に支障が出ているようだな。おい、聞いているか?お前。」
ザボ星人がシュウに目を向ける。
「……がぁぁあーーーっ!!!がぁぁああああーーー!っ!!!がぁあーー………がぁあーーー!!!!!」
「……がぁーー……なにしたぁ………がぁーーーー」
シュウは動かなくなった腹の筋肉ではなく、上半身の筋肉を総動員して辛うじて呼吸していた。
腹は動いておらず、大胸筋が大きく揺れている。
ガァガァと音を立てて、動かない腹筋や周囲の筋肉にかわり、残された筋肉が必死に稼働する。
「腹がダメになると胸部及び首で呼吸機能を代償するのか。だが効率が悪そうだ……呼吸すればするほど、弱っていくだろう。」
「……ふむ………なるほど。心臓と肺の循環能力はかなりあるのか、ではまだ耐えられそうだ」
「では、その腹部の臓器を圧迫し、体内の活動を乱してみよう」
シュウの腹と腰を、ザボ星人は手を伸ばして抱きつき始めた。
そして、だんだんと自らの組織を縮小させてシュウの腰を締め付けていく。
「………はぁ………はぁっ…………ぁぁぁあ…………ぁーーーーぐぇぇぇぇぇ」
シュウは足をばたつかせる。
「内臓……腸というのか。柔らかい管のようなもの。筋肉の支えがなくなり、どんどん潰れていく。」
「ここは、老廃物を貯める場所か………。膀胱。さらに圧迫すると………」
シュウの股間から大量の液体が溢れ出してきた。
「ほう、ここから出るのか」
ザボ星人は興味津々にシュウを見つめていた。
シュウの腹はさらに締め付けられていき、横隔膜が動かなくなってきた。
息を吐くことはできても、吸うための動作が制限されていた。
「がぁーーーー!!!ぐぉーーー………ぐぉぉおおおお…………がぁーー………」
シュウは必死に呼吸を続ける。
「腹の中に膜がある。なるほどこれを動かして、肺を使っているのか。今はほとんど動かせていないようだが。ふふふ」
「腹の外から殴ってやろう。」
ザボ星人は、シュウの割れてボコボコの腹筋が締め付けられながらも未だ隆起している場所へ、激しく腕を突き刺した。
シュウの腹筋は全く機能しておらず、ズルズルと腕を飲み込んでいく。
「………ぁ………………」
シュウは全身を細かく痙攣させ始めた。
呼吸がとまり、手足が震える。
酸素を求め、口は大きく開いた。
「お……ぉぉお!面白い!!神経系が混乱して無秩序な電気信号が発生ッ!!呼吸が止まった!脳の中枢が無造作に放たれる各神経の情報を捌けず、全身の筋肉のコントロールが失われている……」
「もっと強く痛めつけて、この人間の身体をボロボロに破壊……ひひひ」
ザボ星人は、その腕をぐりぐりと、もう役に立たない腹筋を責め立てる。
シュウはさらに大きく痙攣しながらも、ぐぉぉおおおお!!!と呼吸を再開させた。
呼吸と同時に、胃液を噴水のように吐き続けた。
「ぉぶぉおおっ!!!べぇっ…………ぐぼっ!!!!ごぼぉっ……………ぉぉぉぶぅうううっ!!!!」
「ぶはぁっ…………げほぉっっっが…………っはぁぁあ…………」
ザボ星人は興奮していた。
「体内に、電流を流すと……?」
ドゥン!!
と大きな音を立てて、シュウは身体を跳ねさせた。
「……あ………が………が………が」
筋繊維が硬直し、舌が突き出てくる。
両手が開き、腕の筋肉が岩のように硬くなって細かく震え出した。
「この部位の神経系は………」
ザボ星人は、シュウの胸に触れた。
大胸筋の筋繊維がランダムに動き、収縮に合わせて肩や腕がブルブルと引き寄せられていた。
胸で呼吸をかろうじて行っていたシュウは、その筋肉コントロールを失った。
息を吸うことも吐くこともできず、心臓だけが狂ったように動いていた。
「……なるほど、こういう仕組みか。大体の神経系は理解できた。……これが生殖系の回路だ……こうすると全身が性感帯となる」
シュウの腹筋から股間にかけて、軽く触っていた。
「……ぁ………」
「……ぁはぁ…………はっ………」
シュウは、突然全身を震わせながら、猛烈に勃起しだした。
そのサイズは25センチを超えていた。
ザボ星人は、執拗に大胸筋を触り、痙攣を続ける筋肉の繊維を刺激した。
グニュグニュと張り裂けそうになっている大胸筋がうごめき、全身は痙攣を続けていた。
「心臓の拍動でオーガズムを感じるようにしてやろう」
シュウの心臓は、止まることなく懸命に動き続けている。
その力強い鼓動のすべてが快楽に変換され、血管に通る血液すべてが快楽物質となった。
ドピュゥ!!ドピュウッ!!!
ドピュウッ!!!!ドピュウッ!!
そそりたった性器は、猛烈な勢いで射精を始めた。
枯れた声で、途切れ途切れにシュウが叫びだした。
「ぁあっ!!ぁあーーー………はぁっ!………いくいくいくいく………いくぅー…チンコ……ビクビクして気持ちいい……ーーー!」
シュウは腹筋が動かないためぎこちなく腰を振っている。
腰や大腿筋がリズミカルに収縮し、さらに強いオーガズムを生み出す。
シュウは、1分間にわたり精液を吹き出し続けた。
あまりの快楽に呼吸が止まり、心拍はどんどん上がっていく。
それにあわせ、快楽もさらに高まる。
溜まっていた精液が無くなった。
睾丸の裏を見ると、射精を続けるための筋肉は休むことなく動き続け、空の精嚢を絞り上げ続けている。
「生殖液……そうか精液と呼ぶのか。もう無くなったようだ。」
「もうそろそろ飽きてきたな。後は、そこらに捨てておくとするか。」
「……ぇっ……おれのきんにく……もっとぐちゃぐちゃにして……きもちよく……させてぇ………心臓もっと動かして……腹筋潰れた腹を……もっと潰して……ほら見てくれよ……腕も……まだある……筋肉こんなにあるんだ……あはほは」
シュウは腹筋を潰されて、内臓は性感帯と化し、身体の神経系はザボ星人に支配されてしまったことで、錯乱状態に陥った。
逞しく立派な肉体はおもちゃにされ、しばらく筋肉を操られ続けていた。
その間も精液のでなくなった肉棒は、苦しそうに呼吸をしながら動く心臓の鼓動に合わせてビクンビクンといつまでも動いていた。