青年Aは、一ヶ月後のバイクのモトクロス大会に出場する為、とある県の山中のダートで練習を重ねていた。
昨日はあいにく雨が降り、あたりは水たまりが多くコンディションはあまり良くなかった。だが、大会ではどのような天気になるかはわからないため、練習の一環として特に悪い気も起こらず練習していた。
フルフェイスをかぶり、全身を厚い装備で固めて、多少転倒しても大怪我には繋がらないよう、万全の準備だった。
「ハァハァ……この山場をどう超えるか……バイクの重心を下げて……体幹を崩さないようにッ!!」
順調に練習を重ねていたAだった。
その時、前に大きな水たまりがあるのを発見した。
「け……けっこう深いか?まぁ今までのが浅かったから、いけるだろう!」
そう判断して水たまりに突っ込んだ。
バシャアーーーー!!!
水しぶきをあげて侵入していく。
「!?」
すぐに地面につくと思っていた前輪は、水の中に沈んでいく。
………深い。
抜けられるだろうと思っていたそこは水たまりではなく、穴だった。
それも、深さは2メートルを大きく超えている。
「うぶぅっ!!!がはぁ!!!だっだれか!!!ゴボッ!!!」
Aはバランスを崩し、たちどころに沈んで乗っていたバイクは泥水の底に落ちていく。彼が身につけていた装備は水を吸い、どんどん重くなっていく。
腕を振って浮こうと懸命になるが、重くなった装備が邪魔をする。
頭部を守るために装着したフルフェイスでさえも邪魔をして満足に息もできない。
首元の紐は水を吸うと動きが悪くなり、通常でもかなりとるのに手こずるのに、今簡単に取れるものではなかった。
「あぶっ!!!はぁっ!!!はぁっ、!!!」
必死に浮き上がろうともがく。フルフェイスを取ろうと、金具をガチャガチャとする。
身体は重く、腕の力は早くももう限界に達してきた。
不足する酸素を補うため心臓がどんどん高鳴り、耳にバクバクという鼓動音を流しはじめる。
「このベルトが取れればっ………!」
水に半ば沈みながらも、Aは懸命にベルトを外してどうにかヘルメットだけは取れた。
だが、身体は重いままだ。多少息がしやすくなっただけで、腕や足をばたつかせて浮くので精一杯だ。焼け石に水だった。
さらに穴に溜まった水は、Aがもがくことで波ができ、息を吸うタイミングで鼻や口に水がまとわりつく。その為、もがけばもがくほど息が辛くなっていった。
「ブォッ!!!がはっ………」
Aは必死に息をしてどうにか浮き続けようと腕を掻きつづける。
パニックで闇雲に身体を動かすだけで、浮くことにエネルギーを使い切れていない。
「ヤバイ………もう力が入らない………身体が疲れた………」
Aの心臓はフルパワーで鼓動を速くする。だが、無駄な動きが多すぎたため筋肉の疲労は限界に達して、身体をいくら動かそうとしても、弱くゆっくりとしか動けなくなってきたのだ。
焦りと死への恐怖がAを包む。
水に沈みそうになるたび、耳からはドドドドとすごいスピードの体感したことのない心拍が鳴り響く。
「頼む………だれかぁ………なんでもするから助けて………」
Aは絶望的な感情を抱きながらもがき、心でそう叫んだ。
不思議と筋肉疲労は感じなくなっていた。股間が規則的に脈打ち、むずかゆいような感じで体全体をかなりの長期間幸福感が包み込んでいたからだ。
ぐいっ!!!
「大丈夫!?引っ張るから待ってな」
その時、練習に来ていた別の青年が気づき、引き上げてくれた。
「………んんん!重い………グギ………うおおっ!!」
助けを借りてどうにか這い上がったAは、
「ありがとう………はぁっはぁっ……ございます…………はぁっ……」
息も絶え絶えに礼をして、その場で横たわった。
Aを助けた青年はかなりの筋肉質な腕をしていた。
血管が何本も浮き出て、2つに割れた上腕二頭筋がボコッと盛り上がっていた。
「……そういえばさっき、なんでもするって言ってました?」
(確かに言った………もしかして聞こえてたかな?)
「………はい。もう……死ぬかと思って……」
「だよね。じゃ、服脱いでオナニーしてさ、精液だすところを見せてよ。それか、その腹潰されるかどっちか。」
「……ハハ、冗談……ですよね。すみません。お礼ならしますんで……」
「また落とされたいの?本気だよ。ふふ……」
青年は横たわったAの脇腹を蹴り、ゴロゴロと転がす仕草をして、穴にまた落とそうとした。
「!!やめて………わ、わかったやります……じゃあ、腹筋には自信あるんで……腹で」
Aは体幹を鍛えているため、細身ながら腹筋の強さと持久力には自信があった。
「よし。じゃあ脱いで。」
Aは観念したように、ぬれて重くなった装備を時間をかけてゆっくりと脱いで行った。
下着だけとなった彼の肉体は、無駄な脂肪がなく薄いながらもバランスよく発達した筋肉に覆われていた。
腹筋は7パックで、片側は3つと4つで異なる区画の持ち主だった。
「いい身体じゃない。じゃ、やらせてもらうよ。気がすむまでね。死ぬのにくらべたら、天国みたいなもんだ。」
「じゃあ、そこに寝て。下痛いけど我慢して」
「………あ、なんかパンツに精液ついてるね?さっき溺れた時に出た?なんか勃起してるし……」
「………ほんとですね……ハハ。夢中であんま覚えてないです」
「じゃあ、いくぞー」
「わかりました……手加減……してください………よオっ………!!」
Aは、体を少し上げて腹筋を固め、7パックを浮き上がらせながら身構えていたのだが、喋り終わる前にパンチが腹筋を破壊しようと繰り出された。
ドボォーーーーッ!!!バチィッ!!ボスゥ!!!ゴゥ!!!ドゥーーー!!!
青年は、腰を入れてAの腹筋の上部めがけて何発も重い渾身のパンチを放ち続けた!
青年は90kgはある巨体だった。
「ああああ!!あああ!!ああーーーーーー!!!!」
Aは悲鳴を上げ続ける。パンチを受けるたびに腹筋が遅れて収縮し、声が上ずる。
「ハァハァ………!薄い身体なのになかなか筋肉が詰まった腹をしてるな。本気で腹を潰させてもらうよ……!」
青年はそういうと、赤くなりつつあるAの腹の上に両足を乗せ、激しく足踏みをしだした。
「ぎ…………ぃ…………!!!!ぁああああ………!!!あぁあっ!!あぁあっ!!!」
Aは腹に力を極限まで入れた。顔は引きつりよだれが口から溢れていた。
「いい腹筋だよ……。踏むたびに筋肉の反発を強く感じる……。7個に割れた腹筋が必死で腹の内臓を守ってる。………これなら、どうだ。まだその筋肉は耐えられるかな!」
青年は、Aの腹をかかとに体重を乗せてグリグリとねじり出した。腹筋のやはり上部で、心臓や胃の入り口があるところだ。
「ぐあぁあ………げえええええええ…………おぼぉ………。もう………やめ………デェ!!っ!!げぼおおおおお!!オェエエエエーー!!」
力なくAは悲鳴を上げ続け、踏まれるたびに口からはドボドボと液体が溢れ出てくる。
腹筋の収縮はいくらか弱くなり、Aの胃腸には大きなダメージが蓄積していた。胃は痙攣しはじめ、腸が広範囲に内出血を起こしているのか、腹は青く染まりつつあった。
Aはあまりの苦痛に思わず体を仰け反らせたが、腹筋が伸びて力が逆に入れづらくなってしまった。
青年はそれを感じ、更に思いっきり腹に足を当てなおし、力を入れてそのまま腹を踏み抜いた。
浮いていた背中はグシャリと再び地面と接した。
「うぼ………おおお………おえ……ええ……」
(は……はらが………内臓が……ビクビクしてやがる………腹筋にももう力が入らない……)
青年の足の下には、筋肉が痙攣を始めている細身の身体があった。
筋肉量はあまり多くないため身体は薄い。
ハァハァと肺を動かす呼吸が、筋肉の弾力と、骨の硬さとともに足に伝わってくる。
どうにか抜け出そうとしてもがくAの筋収縮を、足の重みでかき消す。
その度にグェエ……とカエルが鳴くような声をAは発し、青年の足には心臓が直に当たってドクドクと心臓の鼓動が伝わっていた。
「腹、感じてくれてるか?」
青年はAに尋ねる。
「……グゥ………もう………勘弁してくだ………さいっ………」
「腹筋………力入らない……ので………」
上体を起こす力もなく、横たわったままそう話す。呼吸のたびに腹筋がピクピクと軽く収縮を繰り返していた。
「君の身体もいっぱい遊んだし、もう満足!じゃ、頑張ってな」
そう言ってAが油断したその時、青年は肘をAの腹筋中央にめり込ませ、スブッと沈んだ。
「コホォ………ぉぉ!!!……おぅ………うぇ………!!!
「げっ………ごぽ……おェエエエ!!うぇえええっ!!!」
Aは嘔吐しながら身体を硬直させて腰を振り始めた。全身が強く痙攣し、まるでピストン運動をしているかのように規則的に腰を振る。
いつのまにかパンツからはみ出た小振りな性器がブラブラと揺れ、辺り一面に精液を振りまいていた。
嘔吐のたびに腹がグゥゥゥウ………と収縮して胃を持ち上げようとする。だが、筋肉の力が弱く嘔吐もダラダラと吐き続ける弱々しいものにしかならなかった。
「腰振りながら射精して、しかも吐いてるの?自信あるって言ってたのにね。もう腹筋は収縮できないみたいだは し、身体は痙攣してて使い物にならないし、まだまだ鍛え方が足りないようだ。せっかく穴に落として腹筋を鍛えてやろうとしたのに。」
「ぁぁぁ………う…………」
Aは何1つ発せなかった。ただうめき声をあげながら、残った精液をダラっと垂らしていた。
「もっと鍛えてから、また穴に落ちてね」
青年はそう笑いながら言うと、その場をすぐに立ち去った。
Aは15分ほどしてようやく起き上がった。
体の筋肉は細かく痙攣し、自慢だった腹筋は7つに割れていたことがわからないほどに腫れ、1つのこぶのように膨れてしまっていた。
沈んだバイクをどうにか引き上げ、ボロボロの筋肉をまといながら帰宅した………。
試合は、結局体の筋肉や内臓のダメージが大きく、出場すら叶わなかったのであった……。