弱音でcisとdisを交互に繰り返すトリルから始まり、流れるように下降するアルペジオが続く。
その緩急をつけたパッセージが数回繰り返されたあと、不安定な主題が提示される。
イ長調で書かれたこのピアノ曲は、半ば五音音階に変化しており調は極めて曖昧だ。しかし、バス部でAのペダルトーンが繰り返し奏されることで奇妙な安定感をもたらしていた。
「……その曲何?不思議な曲。」
「………ドビュッシーの、喜びの島って曲。きれいっしょ?」
拓也は、優雅に、そして緻密にこの不思議な雰囲気をまとった難曲を弾き続ける。
柔道部の彼の肉体は脂肪が程よく乗った、厚みのある筋肉質だった。
Tシャツから浮き出た大胸筋は姿勢良く伸びている。
その発達した筋肉を備えた身体からは想像できないほど、優しい音を奏でていた。
将也はそんな拓也の横に立ちながら、喜びの島を聞いていた。
「心地いいなぁ……」
まるで音が浮遊するようにながれていく。
喜びの島は、恋人と色情に溺れていく情景をモチーフにした曲だった。
将也は、真剣に演奏している拓也の肩の筋肉、胸の筋肉をポンポンと触った。
鍵盤を往復する腕の動きに合わせ、筋肉は硬くなったり弛緩したりを繰り返す。そのたくましい筋繊維と、温かい感触を感じていた。
……そして、いよいよクライマックスを迎えて鍵盤の最低音であるA音を下降アルペジオの着地音として強打し、喜びの島の最終小節を弾き終えた。
将也が照れながら笑い、演奏を終えた拓也に言った。
「ピアノもすごいけど、その筋肉も最高だよな!ボコボコで、腕なんか血管も浮き出てて……。俺の細い身体についてる筋肉とは別物みたい」
将也は腹を出し、腹筋に力を入れてみた。
細身ながらも6つに割れた筋肉が浮き出ていた。
「……へへ。お前の腹筋も細いけどなかなかじゃん。でもな。……俺の腕とか、すごいぜ」
拓也は目を細めながらそう言って、腕をまくって力瘤を強調して見せた。
将也「おぅ!すげぇ!!ちょっと触らせて!」
急に心臓が早鐘を鳴らし始めた。
思わず、拓也の腕を触る。
ボコっと盛り上がった、酷使しているためか体幹部よりも脂肪の少ない腕の隆起は硬く、そして熱かった。
触ってみると、収縮した太い筋繊維が所々でゴリゴリと感じられた。
「俺の腕の2倍はある……。すげぇなぁーー」
拓也「なんだ、俺の筋肉そんなに興味ある感じ?将也。」
将也は拓也の腕から手を離して、うなずく。
「うん。ほんと凄い。自分の身体は鍛えても全然だし。マジで羨ましいわ」
拓也「じゃ、俺の身体触ってみる?ほら、腹筋も脂肪あるけど割れてるし、全体的に筋肉あるぜ。……そうだ、全部脱いだ方がわかりやすいか。ナマで俺の筋肉みたいだろ?」
拓也はピアノ椅子から降りて、着ていた服を脱いでいく。
将也「えっ!どうした?いやいや、それは………!!大袈裟だよ」
想定外の事に、興奮もあったが戸惑いも感じていた。だが、身体は素直だった。
将也の生殖器はぐんぐん大きくなり、履いていたジャージにテントを張り戦闘態勢をとったのだ。
「ふふ。お前のその焦った顔見たかったんだよな。昔から、俺の身体に興味があることくらい分かってたんだよ。体育とか風呂でも俺の身体、チンコ……めっちゃみてたもんな。」
「それに、股間もなんか膨らんでるし、チンコビンビンなんだろ。心臓もドキドキしてるはず。……その恥ずかしいチンコ立たせた姿とさ、お前も脱いで力入れて硬くした筋肉見せろよ!はははっ!!」
そう笑って言いながら、拓也は全裸になっていく。
「………!!拓也っ」
「筋肉……さわらせてぇ!!!」
将也は凄い勢いで近寄り、パンツだけになった拓也の腹にしがみつき、胸や太ももを触り始めた!!
ハァハァと荒い呼吸を繰り返し、筋肉の感触を味わい続ける。
「……この筋肉でっ!!!おれの身体………潰して!!拓也の筋肉で腹もチンコも金玉も潰されるところを想像して……何回も精液出しまくってゴメン!!!いまもっ!!こんなにビンビンで!!!はあはあはあ………」
将也はその勢いで、着ていた服を脱ぎ捨ててパンツも脱いだ。
そして、90度にそそり立ったものがバネのように弾み、露わになった。
「将也、そんなチンコ立たせて………。剥けてるじゃん。じゃあさ、俺の体で次どこ触りたいの?」
「いやぁーそれにしても……変態だな。」
拓也は笑いながらそういうと、将也のチンコを弾くように触り、そして薄い腹を指でずっと撫でながら乳首を弄った。
将也は筋肉を硬直させながら、拓也の悪戯を受けていた。
「ぁあああ………チンコもっ……胸も……触るのやめて。何もしなくてもイキそう………。た…拓也の大胸筋とか足とか……筋肉もっと触らせて……!!」
ほらよ。
そういって、拓也は将也の手を引っ張り、自分の胸に押し付けた。